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【皮膚科学会】AGA・FAGA診療ガイドラインを分かりやすく!推奨されない治療法とは?

AGA(男性型脱毛症)・FAGA(女性型脱毛症)の治療には、医師が作成したガイドラインがあるのをご存知でしょうか?

2010年に、日本皮膚科学会と毛髪科学研究会の共同事業として「日本皮膚科学会男性型脱毛症診療ガイドライン2010」が発表されました。

その後、それの改訂版として17人の専門的知識をもった医師によって作成された「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」が日本皮膚科学会から公表されています。

これはネットで検索すれば簡単にヒットします。

ちなみに、上記のガイドラインが最新版で、ガイドライン2024やガイドライン2025は2025年2月現在は存在しません。

これは診療ガイドラインという名前だけあって、診療する側、つまり医師に向けたガイドラインのため、専門用語が多かったり、長かったりとなかなか一般人では読みにくいんですね。

しかし、AGAに関心のある一般の方にも有益なことが書いてあるので、内容を理解しておくことは自身の治療において役に立つだろうと思います。

そこで、AGAな俺が一般の方でもさらっと内容が理解できるように整理してまとめましたので、一読してみてください。

目次

ガイドラインの目的

このガイドラインは、男性型脱毛症(AGA)と女性型脱毛症(FAGA)の正しい治療法を示すために作られました。

科学的根拠に基づいて、効果がある治療法と、効果がない・危険な治療法を整理し、患者が無駄な治療を避けることを目的としています。

脱毛症の特徴

(1) 男性型脱毛症(AGA)

  • 思春期以降に始まり、徐々に進行する。
  • 前頭部(おでこの生え際)や頭頂部(てっぺん)の髪が細くなり、薄くなる
  • 遺伝男性ホルモン(ジヒドロテストステロン:DHT)が関係している。

(2) 女性型脱毛症(FAGA)

  • 頭頂部全体が薄くなるが、男性のように完全に禿げることは少ない。
  • 更年期(50歳前後)に多いが、若い女性にも発症することがある。
  • 男性ホルモン以外の原因も考えられる。

診断方法

医師は以下の方法で診断を行う。

  • 問診(家族に薄毛の人がいるか、いつから脱毛が始まったかなどを確認)
  • 視診(見た目で生え際や頭頂部の変化を確認)
  • 拡大鏡やダーモスコピー(毛穴の状態を細かく見るための機械を使用)

推奨される治療法と評価

以下の表に、推奨される治療法をA~D評価で示します。

治療法推奨度
(男性型脱毛症)
推奨度
(女性型脱毛症)
説明
フィナステリド
(内服)
A(強く推奨)D(推奨しない)男性ホルモンの働きを抑え、髪の成長を助ける。女性には効果がない。
デュタステリド
(内服)
A(強く推奨)D(推奨しない)フィナステリドより強力。男性に効果があるが、女性には禁忌。
ミノキシジル
(外用)
A(強く推奨)A(強く推奨)頭皮の血流を良くし、毛根を活性化する。男女ともに使用可能。
自毛植毛B(推奨)C1(行ってもよい)自分の髪を移植する手術。確実な方法だが、費用が高い。
LED・低出力レーザーB(推奨)B(推奨)頭皮の血行を良くし、髪の成長を促す。補助的な治療として有用。
アデノシン
(外用)
B(推奨)C1(行ってもよい)毛根を活性化させる成分を含むが、ミノキシジルほどの効果はない。
カルプロニウム塩化物
(外用)
C1(行ってもよい)C1(行ってもよい)血流を良くするが、発毛効果は限定的。
かつらC1(行ってもよい)C1(行ってもよい)髪が増えるわけではないが、外見を改善できる。
ミノキシジル
(内服)
D(推奨しない)D(推奨しない)効果はあるが、副作用が強く、安全性が確立されていないため非推奨。
人工毛植毛D(推奨しない)D(推奨しない)人工の髪を植え付けるが、感染リスクが高いため推奨されない。

各治療法の詳細

フィナステリド・デュタステリド(内服薬)

  • 男性ホルモン(DHT)を抑えて脱毛を防ぐ
  • 長期間の服用が必要(6か月以上)。
  • 副作用:性機能の低下や肝機能障害の可能性あり。

ミノキシジル(外用薬)

  • 血流を改善し、毛根に栄養を届けることで発毛を促進。
  • 男性は5%濃度、女性は1%濃度が推奨される。
  • 副作用:頭皮のかゆみやかぶれが起こることがある。

植毛術(自毛植毛)

  • 自分の髪の毛を毛根ごと移植する手術。
  • 効果は高いが、費用が高く、手術が必要

アデノシン

  • 毛根の働きを活性化し、髪の成長を促す成分。
  • フィナステリドやミノキシジルほどの効果は期待できないが、一定の改善が見られる
  • 副作用は少なく、安全性が高い

LED・低出力レーザー

  • 血流を良くして、髪の成長を助ける
  • 単独では効果が低いため、他の治療と組み合わせるのが一般的。

かつら

  • すぐに見た目を改善できるが、髪が増えるわけではない
  • 定期的なメンテナンスが必要

行うべきでない治療法

人工毛植毛:感染や炎症のリスクがあり、アメリカでは禁止されている。

ミノキシジルの内服:安全性が確立されておらず、強い副作用がある。

根拠のない育毛商品や治療:科学的なデータがないものは避けるべき。

注意点と副作用について

  • 治療は長期間継続することが重要(最低6か月~1年)。
  • 副作用に注意(特に内服薬は医師と相談して使用する)。
  • 効果には個人差があるため、焦らずに治療を続けることが大切。

まとめ

  • 男性型脱毛症(AGA)と女性型脱毛症(FAGA)には、科学的に効果が証明された治療法がある。
  • 特に推奨されるのはフィナステリド・デュタステリド(内服)ミノキシジル(外用)
  • 植毛術やレーザー治療も有効だが、費用や手間がかかる。
  • 無駄な治療や効果のない方法には注意し、正しい治療を選択することが重要。
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